bn_natume_rin_300.jpg

2008年05月09日

少林少女

日中協力とか、日韓協力とかいう映画が面白かった例が無い。
その上、この記事を書くためにスタッフを見てみたら脚本の欄に『十川誠志、十川梨香』と同じ名字の人間が並んでる。
・・・・・これってどう見ても夫婦で執筆してるってことだよね。ワォ。
夫の仕事に口を出す妻がいる作品もロクな作品にならないという駄目法則まで揃ってるなんて絶望的にも程があります。

B0014466U4映画「少林少女」オリジナルサウンドトラック
菅野祐悟 サントラ

ユニバーサルJ 2008-04-23
売り上げランキング : 15283

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

脚本:十川誠志、十川梨香
監督:本広克行

こんな状態で作っていたのなら、この映画の方向性の定まらなさにも納得がいきます。
本当に何がしたいのかよく分からない作品でした。

あ、断っておくと自分から見たいと言い出したわけではありませんよ。
だって初めから凄いハズレ臭がしてたもの。


いや、のっけから辛口に書きましたけど、見ている最中は面白いんですよ。
作中に出てくるギャグはそれなりに面白いし。

だけど最後まで見た後に残る印象は「あー、面白かった」ではなく「で、それで?」なんです。

一番問題なのは、この映画が何を目指しているのか分からないところ。
「コメディ映画」にしたいのか、「アクション映画」にしたいのか、「戦いの放棄」を歌いたいのか、「スポーツ青春物」にしたいのか。
結果として全ての要素が中途半端に混ざっていて、終盤に近付けば近付くほどに失速していきます。


■コメディ映画としてみた少林少女
なかなか成功している感じです。
主にナインティナインの岡村さんと、中華料理店の店員役のティン・カイマンさんとラム・チーチョンさんのお陰っていうか、笑えるシーンは全てこの三人のお陰です。
なんかもう、この三人で映画作った方が面白かったんじゃないのってぐらいです。

ですが、それも終盤になってこの三人が画面に出てこなくなると終わり。
たまに挟まれるギャグシーンも全然笑えないものに早変わりです。
特にブルース・リーを馬鹿にしたギャグシーンは笑えないどころか、観客を白けさせるだけ。

つまり後半で失速。
なんで無意味に真面目な主義主張をあそこで持ってくるかな?
単純に悪いヤツを殴り飛ばして終わりでいいじゃないか。観客はこの映画にあんな展開を期待しちゃいません。


■アクション映画としての少林少女
文句無しに駄目駄目。
一見すると凄いような気がしますが、それはカメラワークとスタントマンの皆さんのやられっぷりのお陰で何とかなっているだけで、後半になってアクション俳優ではない人間ばかりになってからアクションシーンはテンポも悪く迫力もありません。

作ってる側もそれは理解しているのか柴咲コウも仲村トオルも岡村隆史も、修練と速度の必要とされるパンチでのアクションではなく、大仰で簡単に格好良く見えるキックでのアクションばかりしています。
事実、たまに柴咲コウがたまに見せる上半身でのアクションはスピード感も迫力もなく駄目駄目でした。
更に柴咲コウと仲村トオルがぶつかる最終決戦では、完全にワイヤーとCGによるアクションが主で拳と拳が交差するようなアクションはまったくありませんでした。
飛び道具出したり、突進→相手が吹き飛ぶ→反撃→相手が吹き飛ぶという流れの繰り返し。

アクションのできない人間を起用するならするで、カンフーなんて取り入れずに超能力とか気弾飛ばすような話にしとけばいいのに。


■『戦いの放棄』というテーマ
なんでこんな無駄なものを取り入れるのか意味不明。
散々、雑魚敵を殴り倒しておきながら、敵のボスを何か体内回帰させて戦いを放棄させる意味が分からない。
戦いを否定したいなら、敵を殴り飛ばすなよ!
江口洋介の演じた師匠みたく黙って敵にボコボコにされるか、逃げ回ってろよ!

その師匠も他者のために拳を振るう気がまったく無いのに、容易く「守ってやる」とか言うなよ。
ましてや最終決戦には付いて来ようともしないし。

大体、敵に対して土下座してお願いすれば、それで解決するなんて考えがどうかしてる。
別に個人が無抵抗主義をすること自体は構わないけど、結果的に何の役にも立ってないその主張を、この映画がさもそれが正しかったかのように描いているのが嫌。


■スポーツ青春物としての少林少女
結果的に無意味。
最初からこの路線一本に絞ればいいものを、下手にアクション映画にしようとしたせいで無意味なものになっています。

というか、桜沢凛の問題点はスタンドプレーに走ることじゃなくて、ゴールに球が入らないことだよね。
ゴールに球が入りさえすれば他のメンバーは必要じゃない。凛一人で全ての試合に勝てるように見えるんだけど。

しかもアクションものになってからラクロス部のメンバーは全員画面から姿を消すし。
本当に主人公がラクロスをすることが物語に全く絡みません。


■総評
とりあえず『少林少女』がやりたいのか『少林ラクロス』がやりたいのかはっきりしてくれないと話になりません。
ラクロスを主軸に捉えれば後半のアクションが必要ないし、アクションを主軸に捉えるとラクロスをやる必要が全く無い。

後、悪役が基本的に何が悪いのかよく分からない。
だってやってる悪事を全てセリフで説明して、実際に何をやってるのかを描写しないんだもの。
なんかこう「倒さなきゃ」って気持ちがまったく湧いてきません。

お馬鹿映画にするならするで『戦いの放棄』なんてお上品なテーマなんて掲げずに、悪いヤツを殴った倒した勝った万歳! ぐらいの勢いでやってほしいものです。

とにかく、色んな要素が詰め込まれていて、その全てが中途半端。
見た後にある程度の満足度はありますが、決して満腹には成り得ない作品でした。


この映画の個人的な一番の見所は主人公の祖父役で富野由悠季監督が出ていることですね。
まぁ、それも写真だけですけど。

きっと数年後にこの映画に出たことを後悔して、ボロクソに言うんだろうなぁ。
それが今から楽しみです。


正直、観てから数日経ってるのですが、こんなに不満があったのかと自分でも驚き。


▽関連記事▽
少林少女 SHAOLIN GIRL OFFICIAL BLOG [BLOG 総本山]
「少林少女」レビュー :映画レビュー トラックバックセンター


少林少女メイキングBOOK (ぴあMOOK) (ぴあMOOK) 小説少林少女


にほんブログ村(←よろしければクリックでランキングにご協力を)


posted by BoisterousBone at 10:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。